エアコン洗浄の実際(壁掛けタイプ)
 ここでは、実際にエアコンを分解、洗浄していく作業の過程を解説をします。

 このような壁掛けのエアコンが実際に一番多く家庭で使用されているタイプです。一見きれいですが、エアコン全体にカビが生えていて、かけ始めに悪臭が発生している状態です。

 前のカバーを取り外し、中の熱交換器を露出させた状態。上の方に見える枠は空気清浄機の取り付け枠。このタイプは高圧電圧がかかっている本格空気清浄機タイプなので洗浄前に取り外します。熱交換器が黒っぽく見えるのがカビによる汚れですが、全体が均一に汚れているので一見それほどでもないように見えます。

 吹き出し口の中をのぞいたところ。上下風向ルーバーは取り外してありますので、中のクロスフローファンが見えていますが、ファンに生えて成長したカビが回転による遠心力でちぎれギザギザになっているのがわかります。ここまでカビが成長すると部屋にふりかけ状のカビの固まりが飛び始めます。この部分は外からは見えにくいのですが、一番汚れがたまっている箇所で、洗浄の重要なポイントです。

 見えない所のカビまできれいにするのに高圧洗浄ポンプを使用します。そのためエアコン全体を防水シートで完全に覆っているところが一般的に行われているエアコン掃除と大きく異なります。

 専用洗浄剤を熱交換器や送風ファンにたっぷりかけたあと高圧洗浄ポンプで水道水を20倍位の圧力に加圧して内部を洗浄していきます。熱交換器は厚い目のアルミ箔の様な物で、物でさわると変形させるおそれがあり、またフィン側面のカビは見えないので高圧水でそぎ落としていきます。吹き付けられた水はホースを通って下のバスケットにたまります。

 通常1台のエアコンを洗浄するのに20〜60リットルの水を使用します。

 エアコンから出た汚れで黒くなっている洗浄水。熱交換器を洗浄した水は排水ホースを通じて外に流れますので、ここにたまった水の大部分は吹き出し口内部の洗浄水です。見えない内部の汚れがいかに多いかわかります。この汚れは市販のエアコンスプレーで除去するのは困難でしょう。