ファンヒーターの燃焼部分

 ファンヒーターの故障の一つに換気で消えるという症状があります。ふつう日本家屋の気密度では室内の酸素がファンヒーターの燃焼に影響がでるほど薄くなることはありません。つまり、換気表示がでるということは故障しているという事になります。ここで取り上げた事例はふだん何気なく使っているスプレー(霧吹き)の中の成分が原因で故障になってしまうので、使用する人が注意すれば防げる故障です。

 右の写真の青い矢印はフレームロッドといい炎を検出するためのセンサーです。金属の太い針金を曲げたような形をしています。本来は銀色ですが、何となく白っぽくなっているのがおわかりでしょうか?これは水性シリコーンをファンヒーターに吸い込ませたために起きる現象で、正常に燃焼していてもセンサーが炎を検出できなくなるため換気異常を表示して消化動作をしてしまいます。

 黄色の矢印は点火電極です。ここから点火用の火花を放電する事でガス化した灯油に着火させます。火がつく前にパチパチ音がするのはこの部品の動作音です。

 フレームロッドと点火電極を掃除したところです。表面の色が銀色になっています。上の写真と比較してみてください。

 通常は見られない分解してバナーを燃焼させているところです。中央のバーナーからでた炎でセンサーが赤くなっています。炎の中はイオン化して電流を通すので燃焼している時はセンサーに炎電流が流れ正常であるかどうかがわかる仕組みになっています。

 シリコーンが付着して全体が白くなったバーナー部。炎は正常でもセンサーがシリコンで絶縁されているため換気表示をする。シリコーンを含む製品にはアイロンスプレー、ガラススプレー、壁紙クリーナーのほか化粧品の中にも含まれているので使用するときは注意が必要である。

 シリコーンで白くなっているチムニーダクトの内部。隣の部屋で使っていても空中に噴射されたシリコーンはしばらくは浮遊しているので安心はできない。

 シリコーンが縞模様に付着しているのはバーナーから出た炎と一緒に吹き出しているからでしょう。