アップルコンピューターLisa2の修理

 はじめに、なぜこの修理が興味本位の項目に入っているかの解説です。白黒CRTディスプレイを内蔵するこのコンピューターはアメリカ製で半導体が原因の故障の場合、エジソンでパーツが入手出来る可能性は非常に少なく、問い合わせをいただいた時点ではお断りする方向で考えていました。しかし、所有者の熱意と提供された情報、修理にかかる費用の負担の同意が得られたため、出来るならば修理して見たいというエジソンの興味で修理にトライする事になったからです。

 無事、直ってしまったアップルコンピューターLISA2。初めて見るこの20数年前のコンピューターは今のOSと基本的に同じGUIを搭載しゴミ箱までちゃんとあると代物。しかも電源オフ時には開いているホルダーなどを自分でかたづけてから自動で切れるという動作はあまりの先見性に驚かずにはいられないコンピューターでした。直って良かったと思った瞬間です。

 故障内容は垂直が広がらない。偏向不良によるスポット焼けのあるCRTを持つ一台と、CRTはきれいだが全く表示されないもう一台の2台が当店に持ち込まれました。当初、一応映ってはいる方の修理を試みましたが、偏向ICの故障とわかったので断念。全く映らない方の偏向基盤内に不良部品を見つけたので、映っていた方の偏向基盤から当該パーツを移植し、きれいなCRTとともに映っていたシャーシ(左側)に移植して一台のみ運良く修理完了となりました。